トップスターと無限の愛

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基本的に、舞台人は舞台の上で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれればそれでよく、その人の人となりというものは二の次であろう。

しかしもちろん、人格者であってくれるに越したことはないことは言うまでもない。

とりわけトップスターというものは組の顔であると同時に劇団の顔あり、人前やメディアで自分の素の喋りを晒すことが多い。彼女達は一種のアスリートであるとはいえ、人格的な欠落や教養のなさを見せてしまえば宝塚の品格にも傷が付いてしまう。


その意味で、私は蘭寿とむさんは本当に素晴らしい人だと思う。

私は別に彼女の知り合いでもなんでもないが、彼女が相当な人格者で、組子に慕われ尊敬されているのだろうということは容易に感じ取れる。


私が特にそれを感じ取ることができるのは、毎公演ごとの退団者に対する蘭寿さんの愛のあるメッセージだ。トップスターは激務である。下級生一人ひとりの事など、いちいち構っていられないはずだ。ましてや蘭寿さんは元々花にいたとはいえ宙から異動してきたお人である。それにもかかわらず、彼女は一人ひとりに心のこもったメッセージを贈ってきた。私は毎回千秋楽公演における彼女のそんな姿を観て、彼女の組子に対する深い愛情に感嘆していたものだ。


そしてその愛情は、自身の相手役に対しても十分に注がれているように見受けられる。

娘役トップはたいてい組内ではかなり下級生でありながら、多くの上級生を差し置いて目立つポジションを独占するため敵は多いはずだ。他組から異動してきたとなればなおさらだろう。さらに、相手役のファンからも厳しい目を向けられがちである。それゆえ、相手役に愛されていない娘役の肩身は非常に狭い。

蘭寿さんの相手役に対する姿勢は、温かい。

蘭乃はなは、かなり蘭寿さんに守られていたのだと私は思うのだが。


そんな蘭寿とむさんが、もうすぐ、宝塚の地を去る。

花組の生徒にはもちろん、他組のジェンヌたちにも、彼女の残す大きなを受け継いでいってほしいと思う。


舞台人にとって技術的な面はもちろん重要である。しかし人間性というものも、実はそのスターを輝かせる大きな要素であるということを、私は蘭寿とむという人を見て感じずにはいられないのだ。

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