スーパースター育成計画その2~翻弄される貴公子~①

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前回の記事で柚希のケースの成功例を挙げたが、彼女の場合ワイルド系男役であったことも助けになったのだろうと思われる。というのも、近年劇団はフェアリータイプあるいは王子様タイプのスターの育成に失敗しているように思えるからだ。


半女性的、あるいは繊細さをその持ち味とするフェアリータイプのスターにとって、若さ少年っぽさといった点は大きなセールスポイントである。それに加えてある程度実力も備わっていたりすると、劇団としてもなるべく若いうちに上げておきたい、という気持ちが強く働くのだと思う。

しかし、いくら可能性に溢れているとしても、適切な段階を踏まずに闇雲に中心に据えることは、かえってそのスターを潰す結果になりはしないか。

実際、音月桂という大器を成らせることなく退団させ、結果この100周年に英雄を同時に2人生み出すことができなかった点については、以前に記事で述べた通りである。



そして現在、この音月と共通したタイプのジェンヌであり、かつ、スーパースターの素質溢れる逸材であるといえるのが、次期花組トップの明日海りおだろう。


劇団による彼女への期待ぶりはよく知られるところであり、明日海を宝塚の「寵児」と捉えている人もいると思う。

しかし、劇団による彼女のこれまでの扱いに関しては、私は疑問を抱かざるをえない。


まず、月組時代の彼女の立ち位置である。

彼女は下級生の頃から抜擢されていたが、同じ組には似た持ち味をもったスター、龍真咲がいた。たしかに彼女たち二人の存在は「若さ溢れる月組」のイメージを確立するのに役立ったとは思う。しかし、学年もタイプも近い二人を同じようなポジションに置き、互いに競わせたことが良かったは到底思えない。


そもそも、類似するタイプであるがゆえに、ファンを二分する可能性もあるし、組内において個性が十分に引き立たなくなるおそれもある。


また、劇団は彼女たちにやたらと役替わりをさせたが、それは本来1つの公演を通して極めていくべきはずの重要な役どころを、半分に分けるということである。

たしかにそれによってチケットは多少売れるかもしれないが、役者にとってそれはゲームでいえば経験値を半分こにされ続けるということにならないだろうか。

つまり、その役を通して本来得られるはずのスキル及びファンの獲得を妨げる結果につながるのではないかということが懸念される。


さらに、このみりおまさおセット売りは、まさおファンにも複雑な心境を抱かせたに違いない。

まさおサイドからすると明日海は持ち味が似ているという点で競合しており、そして下級生でありながらより大器の予感を感じさせていた。

そんな明日海と役替わりをさせられ続けたこと、さらにはトップのポジションまで分けられたことは、はっきり言って屈辱以外の何物でもなかったのではないか。

お披露目から明日海と役替わりをさせられるということは、龍が半人前トップであり、かつスターとして下級生である明日海に劣るということを公式に発表されたようなものだ。

そしてこれは、明日海にとっても決して良いことではなかっただろう。不必要に他のジェンヌのファンを敵に回してしまったということは汚点に違いない。


また、「準トップ」の措置は、明日海自身にとっても、せっかくの自身のお披露目を中途半端に先行させてしまったという点でマイナスだったであろうと考える。


以前にも少し触れたが、明日海と龍はなるべく早期に離しておくべきだったのだ。もし明日海を月に残しておくつもりが無かったのなら、もっと早く花組に出しておくべきだったと私は思う。

みりおに関しては長くなりそうなので、頁を改める。

その2の②に続く。

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