雪組公演『星逢一夜』感想その2

スポンサーリンク
スポンサーリンク

好評の作品に対し文句続きでアレなんですが、ついでに言っちゃうとこの『星逢一夜』、過去に上田先生自身の演出した『月雲の皇子』すごく似ちゃってる。特に決闘シーンまんま同じ構図って感じで、既視感バリバリ(;^_^)

 

多少のネタ被りは仕方ないにしてもまだ3作目ということもあり、今後も地味目の舞台+悲恋+三角関係+背中合わせの決闘シーンを要素として取り入れてくることをちょっと予感させられました。

(ただ、少々緊迫感に欠けがちな棒切れでのチャンバラに、BGMで迫力を持たせたのは「改良」としてはアリだったと思う。『月雲』での決闘シーンは無音で若干間延びしていた感があったので)

 

 

あとこの作品、散々言われてることだと思いますけど、大劇向きでは決してないんですよね。衣装セットもそうですが内容も内容なだけに、全体としてすごく地味になっている。この間までが王家でギラギラやってたのと比較するとめちゃ対照的

あえて大きな箱でやる必要のない作品であることは間違いないでしょう。盆やセリは割と効果的に使われていたと思いましたが。

 

人数のパワーも一切不要って感じですし…

主人公とヒロイン、二番手、この3人以外はそこまで重要でなく、70名も出演者が集まれば、オリジナル作品であるにも関わらずそのほとんどは背景化。彩凪や彩風3番手以下も大した役ではないという(;^_^)

まぁこの辺は一幕内でのお話のまとまり最優先なんでしょうけど。やはり多数のキャラ見せ場を用意しつつ、一幕でストーリーをまとめるのは本当に難しいんだと感じました。

 

 

まあ、ここまでメインキャラを削った効果もあってか話の筋はシンプルでわかりやすく、かなりよくまとまってると思います。で、ちゃんと多くのお客さんを泣かせてるわけなので、総合的に見ると本作品は十分成功と言えるでしょう。

ただ、この手の「悲恋モノ」ってどれだけのリピーターを呼び込めるんでしょうか。

大劇かなり健闘したと思いますし、東京もすぐに完売してましたけど、後半結構チケット放出されてたような…

華やかさを欠くこういった「悲劇」は、そこまでリピート意欲湧きにくいんじゃないかな~とか思ったり。

下手な演出家でないだけに余計にというか、なんかストーリーが重いんですよね。不幸な現状が変わらないであろうラストシーンとかも、なんだか救いがないですし…

加えてショーがアレでは…というのもありますな(;^_^)

 

 

なんか例のごとく文句ばっかりになってしまいましたけど、演出家の大劇デビュー作としては出色の出来だと思います。この点は本当に評判通りだと感じました。

他作家による最近のデビュー作(ほぼ駄作)に比較すれば、たしかに頭一つ抜けてる

 

先の記事で「泣けなかった」とは申しましたが、晴興の江戸行きを嫌がるちょび康には泣かされそうになったし、一揆の場面で彼らがに例えて自らの決意を口にするところなんかも、晴興と過ごした時間が泉以外の仲間たちにも息づいていることを窺わせ、非常に切なく涙を誘う場面だったように感じました。

 

また、全体を通して観て特にすごく良かったと感じのは、物語の纏う雰囲気がひたすら美しかったこと。

地味だけど、美しいお芝居。ほんとポスター通りって感じでしたね。

 

あとは脚本から滲み出る作者のインテリジェンスっていうですかね?なかなかに趣のある台詞等多かったのが印象的でした。

 

バウ等の小劇場二幕丸々使えれば、おそらくもっと素敵な作品になったのではないかと思いました。

ネガティブ意見ばかりになってしまいましたが、少なくとも今回はハズレではないと思うので次回作にも期待してます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ふかみどり より:

    泣けるという前評判で期待しましたが、私も泣けませんでした。主役のお二人は大泣きでしたが・・・先に泣かないでほしいと思えて覚めてしまったのかもですが。大劇場デビュー異例の早さですが、原田先生のデビュー作「華やかさなりし・・」に比べると見劣りします。

    前回もですが、ショーの方はだいもんさんを酷使し過ぎではないですか。実際声が擦れてしまっていました。ちぎさん出演少ないのでみゆさんも不完全燃焼の印象受けます。
    やはり歌えないトップさんをフォローするといっても色んなところにしわ寄せが出るので手当すべきだと思います。

    お忙しいとは存じますが、新体制トップの宙組「王家に捧ぐ」の本公演、新人公演感想をお手隙の時もよろしくお願いします。

  2. 黒猫 より:

    私もちょび康の
    「みんな悲しいのになんで笑っとるん?」
    みたいなセリフが一番グっときました。

  3. くろ より:

    東北に島流が決まった主人公(しかもすぐ出発って言われてた気がする…)が九州に寄ったりできるの?とか細かいところが気になってしまいました。
    結局最後は救いがなさすぎて泣きましたけど。

  4. カシスオレンジ より:

    今思い返しても、よくわからない人間模様でしたが、あんなに悲しくどんより嗚咽して泣いた舞台は初めてでした。誰も幸せでないし、誰もがとても切ないし、誰もが素直でない作品。
    帰りの電車の中では、泣きすぎて非常に疲れた状態だった事を鮮明に覚えています。
    何故あんなに泣けてしまったのかが今でも分かりません。私も、ヅカさんが言われるように大劇場で向きではないと感じました。
    天野晴興、泉、源太、吉宗たった4人だけの出演で十分成り立つ作品ではなかったのではと思います。
    私の個人的な意見ですが、歌もお芝居も源太が強烈に印象深く、源太が主人公?と錯覚してしまいました。

  5. ばたこ より:

    私はアッサリ泣いたクチです。笑

    が、ヅカ三昧さんのおっしゃる通り、全体的に重いし悲しすぎましたね。。
    劇場を出たあとは暗い気持ちが続きました。

    私もですが、多くの宝塚ファンはハッピーエンドが好きだと思います。

    となると、個人的には小柳先生の作品がダントツで好き、だったりします。

  6. 花子 より:

    ヅカ三昧さま
    感想をありがとうございます。
    実は私も思ったより泣けなかった1人ですが
    理由は三昧さんほど深いものではありません。
    細かい話の整合性に引っかかり少し疑問が残り
    深みにはまれなかったのです。
    あの武家社会の身分制の時代にいくら側室の子といえども農民と同等に遊べたのか?
    一揆を収める時に藩主が先頭にでてくるものなのか?等々
    初めからルパンのように”お話”と思って観ると何とも思わないのですが。。。
    そう考えると知らず知らずに人間ドラマとして
    魅せられていたからこそ引っかかったのかもしれません。

  7. ピカソ より:

    いつも楽しく拝見しています。

    私は雪組ファンで、素敵なお話でしたが、正直…
    リピートもありませんでしたし。

    でも、ショーはとても楽しめました!
    三昧さんは、どういうところが『ショーがアレでは』と思われましたか?
    良かったら感想を聞きたいです。

  8. のむのむ より:

    いつも楽しくブログ拝見させていただいております

    私は号泣したクチです

    晴興が非情になった理由も、優しいからこそ上手く立ち回れなかったのだと、弱い男だなぁと感情移入しました

    本当は、幼い頃に大切にしていたものを守りたいけれど、守るために今の立場になったはずなのに、立場があるから守れない、泉を抱き締められない

    泉もそんな晴興の弱さがわかっているから、晴興を愛したのだと感じました

  9. かおりん より:

    んー…
    私は泣けてしまいましたね~
    ドラマ展開の時系列やその他設定に疑問を抱きながらも、何だか台詞と台詞の行間を勝手に想像して……。涙涙の鑑賞をしてしまいました。
    ただ、早霧、咲妃、望海という芝居巧者が揃って成立した物語という気がします。

    しかし、「星逢い」の後のあのショーたるや…
    ひたすら怒濤が押し寄せてくるかのような展開で…。
    時代物からラテン物へとお化粧から180度真逆のお芝居とは全く゛別物゛であ~くたびれた…ってカンジでした。

  10. コロ助 より:

    こんばんは。いつも楽しく拝見しています。
    星逢い…毎回号泣しました。
    ラストは明朝陸奥なのに、ノンビリしてていいのか?など一瞬疑問にも思いましたが、私は花子様がおっしゃるような「お話」として観ていました。私はみゆの声が大好き。彼女の歌やセリフを聞いていると非常に心地よいので、お芝居中のふとした疑問も吹っ飛んでお芝居にのめり込みました。

    私はショーは楽しめました。まさにお芝居の「静」と真逆の「動」ですね。あんなに走って組子さん達、楽まで持つかなと心配にもなりましたが、皆さんノリノリでこちらまで元気をもらいました。
    特にちぎちゃん、最初に羽つけて銀橋で「エスメラルダ〜ア〜ア〜♫」の歌は大劇場ではもちろん、DVDで何回観てもニヤけてしまい、ストレス発散になります!

  11. あんみつ より:

    私は実はリピート組で、しかも毎回泣いて、更にDVDを見ても今だ泣いてます…(苦笑)
    私は観劇時に、(良いのか悪いのか分かりませんが)時代背景・身分制度(藩主息子が
    農民の事遊ぶ事など)など一切考えず、単純に「とある物語」として見ていたから
    かもしれませんが。
    そしてショーも、私は割と楽しめました♪
    前作の「ファンシーガイ」は実はあまり好みのショーではなかったのですが…。
    今回のは結構好きですよ!
    お芝居が「内にこもるタイプ」だったので、真逆の「外に放出するタイプ」で
    良かったと思います。
    ただ、もしハッピーエンドで楽しいお芝居の時に、今回のショーだったら
    ちょっとしんどかったかもしれません。
    「星逢とセットとしてのショー」としてみれば、結構楽しいショーだと
    個人的には思いました。

  12. なつ豆 より:

    ヅカ三昧さま、こんにちは。
    わたしは「初めてこんなに大劇場で、泣かされたなぁ」と衝撃だったので、とても新鮮に記事を読ませていただきました。
    確かに地味ですね、宝塚の華やかさはあまり体感できない手の作品だなぁと思います。
    わたしが観劇した後、大劇のエスカレーターで後ろにいた小さな女の子が、一緒にいたお母さんに「とってもよかったね!また見たいね!」と興奮気味に話していました。それを見て、「あぁ、舞台ってこうだよなぁ。」と久しぶりに生の舞台を見て、感動して、また見たいと思えることの幸せを感じました。そういった意味で、この作品は舞台に世界観があって、演者が心から息づいていて、(まだ記事はないので感想が楽しみなのですが、)ショーは一転して楽しいお祭りでとても満足の公演でした!Blu-rayを買ってからも必ず泣いてしまいます。

    上田先生の、コメディなんかも見てみたいなー、とりあえずこの先も宝塚は安泰だなぁと安心しました。笑

    長文失礼しました。ショーの感想も楽しみにしております。